任意売却まとめ。

任意売却まとめ。

不動産の任意売却物件とは「任売物件」と略され、住宅売却の一形態として広く知られるようになってきました。
一般の売却の形式とは異なり、居住者がなるべく早期に売却によって得られる現金収入が必要となる場合に選択される方法です。債務整理の一つの方法とも言えます。
普通の不動産の売却の場合は、不動産を取り扱う業者に査定を依頼して価格を提示してもらいそれに納得することができたら売却を承諾して手続きを進めていく事となりますが、任意売却の場合にはローンの返済が滞る状態となったために、担保となっている不動産を債務整理のために売却させることとなる、一種の強制力が働きます。
居住者にとっては滞ったローンの返済に充てるための現金収入が得られるというメリットがあり、購入者にとっても通常の相場価格よりも割安な価格で住宅を入手することができるというメリットがあります。一般的に任意売却物件の譲渡価格は、相場価格の2割から3割程度も低く設定されるケースが多く、一帯の相場が5,000万円前後である場合にはそれよりも1,000万円程度低い4,000万円程度で購入できるということになります。
もちろんメリットだけではなく、任意売却物件ならではのデメリットもありますのでそれをしっかりと抑えておくことも重要です。任意売却物件の場合は、上記でも述べたように物件の購入者が住宅ローンの返済に困窮した末に売り出されることとなる物件です。そのために、物件の売買契約が終了して実際に引き渡しの段階となった場合であっても、基本的には「現状渡し」という事になります。これが通常の中古物件であれば、クロスの補修や破損箇所のリフォーム、住宅設備の一部入れ替えなどの営繕が実施される場合が多いものですが、そのようにはなりません。したがって、問題のある箇所があった場合については基本的に購入者自身が補修や修理交換を行うことが必要となります。場合によってはそのリフォーム費用が高額となって、せっかくのメリットである購入価格の安さを相殺してしまう可能性があることに十分留意しなければなりません。
また旧居住者は経済的に厳しい状態であることとなりますので、十分な引っ越しの作業が行われず住宅の内部には家具や家電、その他の荷物など、以前の住人の居住していた跡が色濃く残されているという可能性もあります。それらの荷物の処分費用が発生するケースがあることも想定しておきましょう。また、引越し費用を捻出できずに引き渡しの当日までその場所に何も手付かずのまま居住したままでいるといったケースも聞かれます。引越し費用の負担などが発生することもあるので十分に旧所有者の状況については把握しておくことが重要です。
しかし、住宅販売会社によっては一般の中古住宅販売とさほど変わらない対応をしているところもあり、一見すると任意売却物件であることがわからないほど良好な物件もあります。その場合は煩雑な作業が発生しませんので、大変おすすめな物件となります。
購入の手続きですが、売買契約を結んだあとに住宅ローンの決済を行うという形となり、これは住宅購入の場合のごく一般的な方法と変わりはありません。一点だけ異なるのは、決済の際に購入者本人と旧居住者本人、そして仲介業者と銀行という関係する人たちが同じ場所に出向いて契約を行うということになる点です。そのために細かい日程の調整などが必要となること、旧居住者と一度は顔を合わせる場面が出ることという点が抑えておきたいポイントです。気にならない人もいますが、重要なポイントですのでイメージをしておくことが良いでしょう。
よく混同されるのが競売物件との違いです。競売物件は競売市場修正によって、任売物件よりもさらに売却価格が割安となるものですが、購入に関してはかなりのリスクがあるために一般の人の入札はおすすめできるものではありません。いわゆる訳あり物件となり、居住者の立ち退き問題などかなり厄介なトラブルの発生も懸念されます。
しかし任売物件の場合は基本的にそのようなトラブルは発生しません。あくまでも居住者が自分の意志で売却することに同意したことになりますので立ち退きなどに関する心配はないといえます。そのためにリスクの低い物件を割安な価格で購入できる物件ということになりますので、予算が限られている場合には大変魅力的な物件となることは間違いないでしょう。
一般的にそのような物件はなかなか表に出てこない場合が多いです。しかし、まれに不動産サイトに一般物件と同じように照会されることもありますのでこまめなチェックが重要です。建物に心理的瑕疵や物理的瑕疵がなく、相場価格よりも低廉な価格である場合には任売物件であるケースが多いものです。これは普段からしっかりと相場価格を調べていることで見分けることができるようになります。
不動産業者でしか参照できない物件もありますので、希望があれば相談してみるのが良いでしょう。